第1部 商工会議所の証明

1.商工会議所の証明について

商工会議所では、貿易関係業者の皆様の貿易取引の便益に供するため、原産地証明書をはじめとする貿易関係の証明を長年にわたって発給しております。
これは、商工会議所が商工会議所法(昭和28年法律第143号)によって公的な団体として位置づけられ、貿易取引の円滑な進展によって、わが国の地域経済の振興と発展に寄与することを求められるとともに、商工会議所(商業会議所)という国際的な広がりを持った組織であることを背景としています。商工会議所では、経済産業省の指導の下に公正かつ厳正な発給を行い、国際的な責務を果たすことが期待されております。

2.原産地証明書の発給について

とりわけ原産地証明書の発給につきましては、「1923年の11月3日にジュネーヴで署名された税関手続の簡易化に関する国際条約」(ジュネーヴ条約)に基づいて、条約を批准した各国がそれぞれ発給機関を定めて発給を行わせることとなっており、わが国では商工会議所が発給機関の一つとして位置づけられ、年間約60万件を超える原産地証明書を発給しております。わが国以外においても、商工会議所(商業会議所)が発給機関として位置づけられ、それぞれ厳格な発給規則に基づいて、証明を発給しているのが大勢となっております。
現在、原産地証明書の発給は、?輸入国の法律・規則に基づく要請、ならびに?契約や信用状における指定といった二つに大別され、後者の比率が年々高まっております。しかしながら、原産地証明書の記載事項は、あくまでも発給機関の定める発給規則に基づいて作成されることが大前提となりますので、契約や信用状取引を行う場合には商工会議所の発給規則と矛盾する条件とならないように注意されることが必要となります。

3.厳正な証明発給を確保するために

商工会議所では、原産地証明書以外にも、インボイス証明などの領事査証の対象となる証明の他、サイン証明や営業証明、会員証明といった各種の証明を行っております。
上記にご説明してきたように、商工会議所の証明が国際的に流通する前提として、国際的な信頼を維持・確保することは不可欠となります。ひとたび不正な申請による証明発給が発覚いたしますと、皆様の申請に当たって必要とされる典拠書類を増やさざるを得ない事態ともなりかねません。
このため平成11年10月1日から、原産地証明書用紙を商工会議所作成のものに統一するとともに、商工会議所への証明申請手続きについても全国統一することとなりました。本マニュアルは、全国統一の申請手続きを貿易関係業者の皆様に知って頂くことを目的に作成されておりますので、よくお読みのうえ申請頂きますようお願い申し上げます。
また、不正申請を行った方に対しては、罰則規程に基づいて、登録の抹消、証明の発給停止などの罰則が全国の商工会議所において一律に適用されることとなります。これはあくまでも、適正な申請を行っている方々にご不便をかけないためのやむを得ざる措置でありますので、ご趣旨をご理解頂きますようお願いいたします。

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