谷口商会（谷口クリーニング）

スーツやコート、着物など衣類はもちろん、子育て世帯を視野にベビー用品をクリーニングするサービスも新たに始めた。守口市内を中心に７店舗ある「谷口クリーニング」。５年ほど前からは衣服の修繕や靴のメンテナンスも導入、強化してサービスの幅を広げ、「困り事にできるだけ応えていきたい」と胸を張る。
「クリーニングの良さや価値を伝えられれば」と話すのは、７店舗を運営する谷口商会の谷口康宏社長（35）。油汚れをよく落とす溶剤を使ったドライクリーニングや、ウール製品などの汗じみを特殊な水洗いで落としたり、それぞれ型崩れを抑えながら仕上げるプロのなせる業をＰＲしている。社内では、谷口社長をはじめ複数の従業員がしみ抜きの流派「不入流」の資格を取得するなど技術を研さんしている。

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、手探りで始めたサービスがベビーカーやチャイルドシートのクリーニング。物品が重いことから宅配需要が伸びるなど好評で、府外からも引き合いがあるほどだ。
新型コロナ禍で、一時は売り上げが４割を超えるなど激減。店舗の縮小や工場の稼働時間を減らすなどしてコストを削減し、苦境を乗り切ってきた。
苦しい中、地域貢献の一環として参加したのが学生服を無料で引き受ける全国キャンペーン。３月末まで児童・生徒の制服を受け付けたところ口コミで広がり、２カ月余りで通常の３年分に当たる約１万３千着が寄せられた。地域が疲弊する中、「サービスが世の中に必要とされていると感じた。落ち込んでいた従業員が生き生きとし、僕が一番元気になった」と表情を緩める。
新型コロナ禍で、宅配やネット受注も進めている。「要望に応えていく中で、うちの店を気に入ってくれるお客さんを増やしていきたい」と意欲を燃やしている。

平日午前９時～午後２時、同３時～同７時、日・祝日午前10時～午後２時、同３時～同６時（本店）。