若狭や製麺所

大量生産にはなじまない、熟練した職人による手打ちの温かみがある。一晩熟成させた滑らかでモチモチの麺を求め、全国のファンから絶えず注文が入ってくる。オリジナルを手掛ける製麺卸「若狭や製麺所」は、「手間暇かけて育てたこだわりを味わってほしい」とＰＲしている。
京阪電鉄・古川橋駅から北へ歩いて５分。店頭では販売担当のおかみ、窪田佳奈子さんが爽やかな笑顔で出迎えてくれる。麺は14種類をそろえ、焼きそばには豚肉と刻み野菜、うどんはだしや薬味、どんぶりを覆うほどの大きな油揚げなど自家製の具材をひとまとめにしたセットものもショーケースに並んでいる。

一番人気は「平うちめん」。カレーうどんや焼きそばといった用途はもちろん、沖縄伝統の楽器、三線奏者でもある窪田さんの意向で「沖縄そば」としても売り出せるよう大阪の消費者のニーズを研究し、改良を重ねた逸品。「冬場は煮込んでもつ鍋やちゃんこ鍋の締めにも」というのがおすすめだ。
自慢のうどんも人気が高い。材料は無添加の北海道産小麦と水、塩だけというシンプルなもの。加水を極力抑えて粘りを出し、「こねる」「伸ばす」「寝かせる」という一連の作業を倍にしてモチモチとした食感と甘みを生みだす。生地は一晩熟成させるのがポイントで、「小麦本来の優しい味と香りを味わってほしい」と胸を張る。
近年は、地元の伝統野菜をパウダー状にして配合した細麺の「門真れんこんうどん」にも力を注ぎ、地域活性化にも一役買っている。１９６７年の創業以来、守り続けてきたブランドをさらに発展させ、「他にはない若狭やのプレミアムを生みだしていきたい」と次を見据えている。

（商品）平うちめん（100円）、うどん（90円）、門真れんこんうどん（150円）、自家製きつねうどん（370円）　価格はすべて税込み